≪親露派 ウクライナ軍輸送機撃墜、49人死亡≫
ウクライナ国防省は6月14日、東部ルガンスクの空港近くで14日未明、政権部隊の兵員を乗せた大型輸送機イリューシン76が、親ロシア派武装勢力に撃墜されたと発表した。ウクライナ検察庁によると、操縦士ら9人と兵員40人の計49人が搭乗していたが全員が死亡。ロシア通信が報じた。これまでの東部の戦闘で最多の犠牲者となった。
政権側は14日朝からルガンスク周辺で武装勢力の拠点を集中的に砲撃した。7日に就任したウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領(48)は、1週間程度での停戦を目指す意向を示していたが、早期停戦は困難な情勢とみられる。
ルガンスク一帯は親ロシア派武装勢力「ルガンスク人民共和国」が実効支配しているが、空港は政権側が掌握。武装勢力は小型の高射砲や機関砲で着陸体勢に入った輸送機を攻撃した。拠点の周囲を統制できていない政権側の弱みが露呈した。
輸送機は、交代の兵員や装備、弾薬、食料を積載していた。輸送機には160人以上の人員が搭乗できる。