2014.5.28 10:55
【国際情勢分析】
ウクライナ大統領選で親欧米派の実業家、ペトロ・ポロシェンコ氏(48)が当選を決め、親露派の前政権が崩壊した2月の政変に一応のけじめがついた。親露派武装勢力が「独立」を宣言した東部のドネツク、ルガンスク両州の混乱など危機はいまだ続くものの、ロシアがウクライナに介入する口実としてきた「欺瞞(ぎまん)」が、この大統領選で暴かれた意味は大きい。
今回の選挙で注目されることなく終わった泡沫(ほうまつ)2候補の結果を紹介する。オレグ・チャグニボク氏(45)が得票率1.2%、ドミトロ・ヤロシュ氏(42)は0.7%。前者は最高会議(議会)にも議席を持つウクライナ民族主義政党「自由」の党首、後者は2月政変の大規模デモで急進的役割を担った民族主義勢力「右派セクター」のリーダーである。
あえて泡沫候補に言及したのは、ロシアがこれら民族主義勢力の存在をあげつらってウクライナを非難し、一連の介入の大義名分としてきたためだ。