ウクライナ東部では今月(6月)6日にも、親ロシア派の拠点都市スラビャンスクで政権側の輸送機が撃墜され3人が死亡、2人が行方不明となっている。
≪早期停戦困難 東部混乱、露に有利≫
ウクライナ東部での親ロシア派武装勢力と政権部隊との早期停戦に、暗雲が垂れ込めている。ポロシェンコ大統領は1週間程度での停戦実現を目指してロシアと交渉を始めたが、解決策は見えずに戦闘は激化。混乱はロシアのウラジーミル・プーチン大統領(61)に有利に働いているとも言われ、専門家の間では「プーチン氏に領土拡大の野心がある限り、停戦は不可能」との悲観論が高まっている。
モスクワの指示明白
ポロシェンコ氏は就任翌日の6月8日には、ロシアとの交渉を開始。「共通理解に達した」との声明を発表したが、状況沈静化の気配はない。ロシアから東部に戦車が侵入したほか、政権側の輸送機が親露派に撃墜された。
「戦車はウクライナの反応を試すために侵入した。次はもっと多く入ってくるだろう」。首都キエフの軍事評論家、オレグ・ソースキン氏はこう分析。「モスクワの指示による行動なのは明白」と言う。