「海が乗っ取られる」
中国漁船によるサンゴ密漁に揺れる小笠原諸島でも思いは切実だ。父島にある小笠原島漁業協同組合の作業場では10日、漁師らが会合を開いた。思うように出漁できない状態が続き、いらだちがピークに達しており、漁師からは政府の対応への不満が続出した。
中国漁船に急接近されたという市川潤さん(44)は「海が乗っ取られるんじゃないかとみんな思っている。政府は領海を守る断固たる構えで中国側に対処してほしい」。小川剛さん(40)は「政府は中国側にしっかりと状況を確認する必要もある」と注文を付ける。
海上警備の対策急務
「首脳会談によって現状が際立って変わるとは考えにくい。外交交渉を進めつつ海上警備などの対策強化を急ぐ必要がある」。東海大学の山田吉彦教授(海洋政策)はこう指摘する。