「隊員諸君、全ての日本国民が、そして世界が諸君を信頼し、大いに頼りにしている。その誇りを胸に、次なる60年に向けて、力強い一歩を踏み出してほしいと願う」
安倍晋三首相(60)は10月26日、航空自衛隊百里(ひゃくり)基地(茨城県小美玉市(おみたまし))で開かれた自衛隊創設60周年記念の航空観閲式に出席し、約740人の隊員を前にこう訓示した。
習氏と会談調整
訓示では、首相が掲げる「積極的平和主義」の実践には「自衛隊の存在を抜きに語ることはできない」と言及。女性自衛官の活躍にも触れ、「女性の力が自衛隊にとって新たな活力の源になっている」と、政権の看板政策である「女性の輝く社会の実現」についてもアピールした。
さらに今回の航空観閲式には、米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイや、航空自衛隊が米国から導入予定の最新鋭ステルス戦闘機F35Aの実物大模型が初登場。首相も式典終了後に視察し、日米同盟の絆の強さを強調した。
このほか、自衛隊創設60周年にちなみ17機のT4練習機が「60」の形に並ぶ編隊飛行を披露するなど見どころ満載の航空観閲式だったが、気になったのは首相の訓示で、日本の安全保障上の大きな脅威となっている中国を念頭に置いた発言がなかったことだ。