【安倍政権考】
安倍晋三首相(60)は、「積極的平和主義」を体現するために国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指している。国連加盟国3分の2(129カ国)以上の賛同を得なければならないという物理的ハードルもさることながら、大きな壁として立ちはだかるのが、「五大国」の一員として常任理事国にいる中国だ。
発言力の高まり危惧
米英仏露中の常任理事国の枠を拡大する安保理改革は、関係国の利害関係が複雑に絡み合うため、実現は難しいとされる。日本との関係で言えば、中国と韓国がそれに当たる。中でも常任理事国の中国は、日本が加入することになれば、自国の発言力が相対的に低くなり、アジアで唯一の常任理事国としての優越性を失うと危惧する。
だが、中国側が最も嫌がるのは、国連を中心に国際社会で日本の発言力が強まることだろう。