安倍晋三首相(59)は8月29日、9月3日の内閣改造と自民党役員人事をめぐり、自民党の石破(いしば)茂幹事長(57)と官邸で会談した。首相は石破氏を重要閣僚で処遇する意向を伝え、石破氏も記者団に「組織人としてトップの決定に従うのは当然だ」と応じ、受諾する考えを示した。首相は石破氏を地方創生担当相で起用する方向だ。また、与党党首会談で公明党の太田昭宏国土交通相(68)の留任が固まった。
首相と石破氏の会談は、昼食をとりながら1時間20分に及んだ。首相は石破氏に安全保障法制担当相の就任を要請した。これに対し石破氏は安保担当相に難色を示した上で、幹事長続投の希望を伝えた。
首相は幹事長交代の意向を固めており、石破氏は会談後、「これから先も首相を全力で支える。緊密に連携していく」と強調し、安保担当相以外のポストは受け入れる考えを示した。
首相はこれまでも石破氏に安保担当相への就任を打診していた。だが、石破氏は集団的自衛権の行使容認の手法などをめぐり「首相と意見が違う」として固辞する考えを公言していた。