徳洲会(とくしゅうかい)グループの選挙違反事件を受けた徳田毅(たけし)氏(42)=自民離党=の辞職に伴う衆院鹿児島2区補欠選挙が4月27日に投開票され、自民党新人の金子万寿夫(かねこ・ますお)氏(67)=公明党推薦=が、民主党、日本(にっぽん)維新の会、結(ゆ)いの党、生活の党の野党4党が推薦する無所属元職の打越明司(うちこし・あかし)氏(56)ら5人を破り、初当選を確実にした。安倍晋三首相(59)は4月27日夜、「進めてきた政策に一定の評価を得られた。今後も全力を尽くしたい」と記者団に述べた。安倍政権の今後の政権運営に弾みがつきそうだ。
今回の補選は、消費税率の8%への引き上げ後、初の国政選挙とあって、与野党が総力戦で臨んだ。選挙戦は金子氏と打越氏を中心に消費税増税の影響や「政治とカネ」の問題などをめぐって論戦が展開された。
金子氏は選挙戦で、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の地方への波及や農業振興などを掲げ、「社会に活力を取り戻す安倍政権の取り組みの中に入れてほしい」と訴えた。党本部も安倍政権の審判を受ける選挙と位置付け、首相自らが(4月)19日に奄美大島などに応援に入ったほか、石破(いしば)茂幹事長(57)ら幹部を相次いで投入。てこ入れが奏功し、着実に票を固めた。