東京都の猪瀬直樹知事(67)は12月19日、都庁で記者会見し、医療法人「徳洲会(とくしゅうかい)」グループから現金5000万円を受け取った問題の責任を取り、辞職を正式表明した。「これ以上都政を停滞させるわけにはいかない」として深々と頭を下げ、会見に先立ち都議会議長に辞表を提出した。昨年12月の初当選からわずか1年での辞職で、在職期間は都政史上最短。知事選は1月16日告示-2月2日投開票か、1月23日告示-2月9日投開票の日程となる見通しで、各党は後任候補選びなどを本格化させる。
「個人的借金」変えず
会見で猪瀬氏は「五輪の準備を滞らせるわけにもいかない。局面打開には職を辞するしか道はない」と強調。しかし、5000万円に関しては「個人的にお借りしたものだ」と従来の弁明を変えず、「自分なりに説明責任を果たすべく努力したつもりだが、残念ながら疑念を払拭できなかった」とした。進退については、(12月)17日に石原慎太郎前知事(81)、18日には知事選の選対責任者だった日本サッカー協会(JFA)最高顧問の川淵三郎氏(77)と会って相談し決断したという。