記者会見で辞職を表明し、退場前に一礼する東京都の猪瀬直樹知事。しかし、知事を辞めても、5000万円問題について説明責任を果たす義務は残る=2013年12月19日午前、東京都新宿区西新宿の都庁(松本健吾撮影)【拡大】
都知事選で得た433万票という史上最多得票数に触れ「その負託に応えられなかった。大変反省している」と述べた。「これからは一人の作家として都民として恩返ししていきたい」と語り、新しい知事について「スポーツに明るく、東京五輪を迎えるにふさわしい方がなってくれたら素晴らしい」と述べた。
猪瀬氏のこれまでの説明によると、知事選出馬表明前日の昨年11月20日に徳田毅(たけし)衆院議員(42)=鹿児島2区=から5000万円を受け取り、東京地検特捜部が公選法違反容疑で徳洲会グループを強制捜査した直後の今年9月25日に返済した。
しかし、猪瀬氏の選挙運動費用収支報告書には受け取った5000万円の記載はなく、11月22日の問題発覚後は「個人の借り入れ」と繰り返し、借用証も公開した。
贈収賄罪も視野
特捜部は今後、市民団体から提出された告発状を受理し、捜査に着手する見通しだ。選挙運動に関する資金を受領しながら選挙運動費用収支報告書に記載しなかった公選法違反(虚偽記載)罪や、寄付を受けた明細書を出納責任者に提出しなかった公選法違反(明細書不提出)罪などに該当するかどうか、捜査を進める。