2014.3.25 09:40
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部(東京都千代田区富士見)の土地建物の競売で、東京地裁は3月24日、再入札の結果22億1000万円で落札した高松市の不動産業「マルナカホールディングス」への売却を許可する決定を出した。総連は即日、決定を不服として東京高裁に執行抗告を申し立てた。高裁が抗告を退けるまで所有権は移転せず、明け渡しにはならないが、事実上の「北朝鮮大使館」ともいわれる総連の退去は時間の問題となった。だが、半世紀にわたる「牙城」を明け渡すともなれば、朝鮮総連と北朝鮮との関係に与える打撃は計り知れない。
競売手続きは、在日朝鮮人系信用組合の不良債権問題で朝鮮総連に約627億円の債権を持つ整理回収機構の申し立てを受け、開始された。昨年(2013年)3月の最初の入札では、総連の意をくんだとされる鹿児島市の宗教法人・最福寺が45億1900万円で落札したが、資金繰りがつかずに購入を断念。10月の再入札では、50億1000万円で落札したモンゴル企業「アヴァール・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー」の提出書類に不備があり、東京地裁は売却を認めなかった。地裁は3回目の入札は行わず、今月(3月)20日に落札者を決める「開札」をやり直し、モンゴル企業以外で再入札に唯一参加していたマルナカが落札していた。