東欧のウクライナで続く、親ロシア派のヤヌコビッチ政権の打倒を目指す反政権デモは3カ月目に突入した。政権側の治安部隊が弾圧を強めるなど対立が激化するなか、首都キエフのデモ隊の拠点に戦闘服姿でピアノを演奏する活動家が登場し、参加者を勇気づけている。治安部隊とにらみ合うバリケード前でプロポーズをして愛を誓うカップルまで現れた。たくましいデモ参加者たちは、“革命”の実現へ士気を高めている。
「士気高める音楽」
「政府は、われわれを過激派や犯罪者と呼ぶが、そうではない。人々はお金や暴力のためではなく、愛国心からここにいるのだ」
戦闘服に身を包み、スキー用の目出し帽をかぶった男性ピアニストは2月1日、ロイター通信の取材にこう訴えた。
「ピアニスト過激派」と呼ばれるこの男性は、デモ隊が占拠した市庁舎内で、ウクライナ国旗と同じ青と黄色に飾られたピアノの前に座り、欧州で人気の高いイタリア人のピアノ奏者兼作曲家、ルドヴィコ・エイナウディ氏(58)の曲などを演奏。庁舎外のいてつく路上で抗議活動を続けるデモ隊参加者を鼓舞している。