そもそも首相に石破氏を幹事長に留任させる考えはなかった。今年12月に前回衆院選から2年が経過し、折り返し地点を迎える中で、来年はいよいよ衆院解散も視野に入る。気が置けない人を幹事長に据えたいのが首相の本音といえる。無役にすることで石破氏が「反安倍」の受け皿になることを避けたい、との思いもあったようだ。
首相に取り込まれることを危惧した石破氏周辺には首相と距離を置く「主戦論」が一時高まったが、首相は「二の矢」として来春の統一地方選をにらんだ改造の目玉ポスト、地方創生担当相を用意した。
その地方創生相は、地方の人口減少対策や地域活性化を担う。菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)が29日の記者会見で「地方創生は内閣の総力を挙げて懸命に取り組んでいく」と決意を示したように、首相は地方創生を政権の浮沈をかけた施策と位置付けている。秋の臨時国会で関連法案を仕上げることで、経済政策「アベノミクス」の効果を全国に波及させ、統一選を勝ち抜く戦略を描く。