今年のノーベル平和賞受賞の行方は、例年になく緊張した。中国政府が鳩山由紀夫元首相(67)を推薦したら、日中関係がさらに混迷の度を深めたに違いないからだ。ノーベル平和賞推薦で餌付けされ、伝書鳩宜(バトよろ)しく、鳩山氏が中国のお使いを買って出て、反日媚(び)中発言を一層激化させるのは必至だったろう。《日本国憲法第九条を保持してきた日本国民》が候補と化すなど「選考が政治的に偏向し過ぎ」との批判が絶えないノーベル平和賞は、ある意味で鳩山氏が受けるにふさわしい?一面もあり、来年以降も平和賞受賞候補者より目が離せない。
孔子平和賞の有力候補
そう憂えていたら、うれしいニュースが入ってきた。地球上で最も権威も意義もない《孔子平和賞》の「有力候補」に、鳩山氏が顔を連ねたのだ。孔子平和賞は2010年、中国の民主活動家、劉暁波氏(58)のノーベル平和賞受賞決定を受け、激高した中国が対抗すべく急造した曰く付きの“賞”。受賞者は反体制メディア弾圧を続けるロシアのウラジーミル・プーチン大統領(62)ら、一党独裁の中国が評価するに値する顔ぶれ。もしくは、中国の「イエスマン」が並ぶ。今次候補者も鳩山氏他、産経新聞の前ソウル支局長を在宅起訴した韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(62)や、反体制組織を化学兵器で攻撃した可能性の高いシリアのバッシャール・アル=アサド大統領(49)ら、民主主義とは縁遠い指導者が浮上している。鳩山氏は彼らの系譜に連なる人物だと、中国共産党が高く評価したのである。