実績を残す秘策
オバマ氏は国内でエボラ出血熱の感染者が出たのを受け、中間選挙の遊説を取りやめ、連日のように「御前会議」を開いている。対策を統括する「即応調整官」も任命。イスラム国対応でもみられなかった行動は、強い危機感の表れといえる。米国人の3分の2が感染拡大への危機感を抱いているとされるだけに、中間選挙をにらんで感染の危機に立ち向かう大統領の姿を見せる狙いもあるのだろう。
共和党が「2つの恐怖」を政争の具に使うのは上品とはいえないが、政治家の「生き死に」がかかった選挙では利用できるものは何でも利用するものだ。自民党を否定して政権を取った日本の民主党を例に引くまでもないが、批判した側にはおのれの言説に対する責任がブーメランとして跳ね返ってくる。ただそれだけの話だ。