【アメリカを読む】
バラク・オバマ米大統領(53)がイラク北部でイスラム教スンニ派の過激組織「イスラム国」に対する空爆に踏み切った8月8日はリチャード・ニクソン元大統領(1913~94年)の辞意表明から40年の節目だった。ベトナム戦争からの撤退戦略を掲げた1969年のニクソン・ドクトリンは南ベトナム自身に防衛を担わせる「ベトナム化」を狙った。オバマ氏も「イラク化」を志向しているが、長期的な戦略に基づくドクトリン(外交原則)があるとは言い難い。
ツイッターで空爆公表
米CNNテレビは8日朝、イラク空爆を速報した。情報源は米政府による公式の発表でもオフレコ情報でもなく、国防総省のジョン・カービー報道官がツイッターで発した一言だった。
「米軍用機がイスラム国の火砲への攻撃を実施した。火砲は、米政府要員に近接して(イラク北部)アルビル防衛に当たるクルド自治政府の部隊に対して用いられたものである」
カービー氏による簡単な「つぶやき」から数十分後に、国防総省はFA18戦闘攻撃機2機がレーザー誘導弾で移動式火砲を攻撃したことを公表した。