【アメリカを読む】
米南部テキサス州ダラスの病院で起きたエボラ出血熱の二次感染は、米国人の不安をかき立てている。11月4日の中間選挙を前に、野党共和党はエボラ出血熱、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の「2つの恐怖」をめぐる政権の不手際の追及を選挙戦の柱に据えている。もっとも、接戦区の民主党候補が「エボラ」よりも怖いのは「オバマ」かもしれない。
簡単な質問に立ち往生
「オバマ政権によるエボラ出血熱の危機対応は適切だと思いますか?」。記者からの問いかけに、南部アーカンソー州選出のマーク・プライヤー上院議員(51)は口ごもった。
「うーん…。難しいですねえ。最新のブリーフィングを受けていないし…」
プライヤー氏は3期目を目指す現職であり、オバマ政権を支える立場だ。政権の対応について聞かれた時の模範解答は「イエス」だが、そう答えられないところに民主党候補の悩みが表れている。