地元テレビ局のアナウンサーは「おかえり、シンジ」と叫んだ。独紙ビルトは「KA-GALA」(香川祭り)の見出しで報じ、香川に最高点の「1」をつけた。英紙ガーディアンは「シンジ・カガワのハッピー・リターン」と伝えた。マンUのサポーターらは「なぜカガワを放出したのか」と怒りの声をあげた。
後半19分には足をつらせて交代したのは、マンUでの出場不足が響いたのだろう。17日の欧州チャンピオンリーグ初戦、アーセナル戦は欠場した。
だが出番も居場所もなかったマンU時代とは意味が違う。あくまでリーグ戦に向けた温存。2-0の完勝でスタンバイのまま試合を終えたが、劣勢か同点のままなら出番もあり得た。何より、ゴールシーンにベンチでクロップ監督と絶叫しながら抱き合う姿が、チームでの立ち位置、存在感を示していた。
≪トップ下 ここが僕の生きる場所≫
表情ばかりではない。顔は見えなくとも、背中の躍動感がゲームを仕切った満足感と達成感を表しているようだ。
香川真司の「おかえり」には、2つの意味がある。ひとつはもちろん、2年ぶりに復帰した古巣ドルトムントへの帰還。もうひとつは、マンチェスター・ユナイテッドで望んでも与えられなかったトップ下でのプレーだ。