こういう表情を、満面の笑みという。本当にうれしそうだ。本人だけではない。サポーターの表情もいい。
サー・ファーガソン監督が去った後の英プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッドでは、ついに見られなかった笑顔だ。ブラジルのワールドカップでも見たかったとはもう言うまい。終わった話だ。
独ブンデスリーガ、ドルトムントのホームスタジアム。13日は8万人の大観衆がスタンドをクラブカラーの黄色に染め、香川真司(25)を迎えた。繰り返される「シンジ・カガ」のコールばかりは黄色い歓声とはいえず、むしろ野太く、地鳴りのようでさえあった。
香川も見事に歓迎に応えた。懐かしのスタジアムにフライブルクを迎え、トップ下で先発。34分に中盤で反転してDFをかわし、右足アウトサイドで絶妙のスルーパスを送り、FWラモスの先制ゴールに結びつけた。
41分にはそのラモスが右からグラウンダーのクロス。ニアやゴール前に走り込む攻守の選手の間をすり抜けたボールはファーで待つ香川の足元へ。これを右足インサイドで落ち着いてゴール左隅に決めた。