思い起こせば、フランス革命以降、王侯貴族の美術品が流出したのが、美術館誕生のきっかけ。「ホワイトキューブ」と呼ばれる美術館に作品が展示されるようになってから、せいぜい100年。コレクター(個人)が美術品を所蔵していた歴史の方が圧倒的に長い。現代美術界は、コレクターが“自分だけの宝”を収集する情熱やエネルギーを取り込むことで、新たなパワーを生み出す時にきているのかもしれない。(原圭介/SANKEI EXPRESS)
【ガイド】
■「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展-ヤゲオ財団コレクションより」 8月24日まで、東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園3)。一般1200円。月曜(7月21日は開館)、7月22日が休館。問い合わせはハローダイヤル(電)03・5777・8600。