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「コレクター」が存在感を増す潮流 「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」 (2/5ページ)

2014.6.30 11:55

マーク・クイン《ミニチュアのヴィーナス》2008年_ヤゲオ財団蔵(提供写真)。(C)Marc_Quinn

マーク・クイン《ミニチュアのヴィーナス》2008年_ヤゲオ財団蔵(提供写真)。(C)Marc_Quinn【拡大】

  • 杉本博司《最後の晩餐》1999年_ヤゲオ財団蔵(提供写真)。(C)Hiroshi_Sugimoto/Courtesy_of_Gallery_Koyanagi
  • ロン・ミュエク《若者》2009年_ヤゲオ財団蔵(提供写真)。(C)Ron_Mueck_Photo:Alex_Delfanne
  • ゲルハルト・リヒター《叔母マリアンネ》1965年_ヤゲオ財団蔵(提供写真)。(C)Gerhard_Richter,2014
  • アンドレアス・グルスキー《V&R》2011年_ヤゲオ財団蔵(提供写真)。(C)Andreas_Gursky/VG_BILD-KUNST,Bonn&JASPAR,Tokyo,2014_E1016

 キリストと言えば、杉本博司の「最後の晩餐(ばんさん)」は、レオナルド・ダビンチの作品に題材を求めた。蝋(ろう)人形を使って、目の前で実際の晩餐が繰り広げられているように写し出すが、ダビンチが活躍した15~16世紀の重厚な雰囲気まで醸し出している。

 2012年のロンドン・パラリンピック開会式で、手足に障害をもつ女性の巨大なヌードの彫刻を登場させ話題になったマーク・クイン。「ミニチュアのヴィーナス」は、女性にアクロバチックなヨガのポーズを取らせることで、人を超え「神」や「魔性」の美にまで迫ろうとしているかのようだ。

 「自分の嗜好」が購入の基準

 東京国立近代美術館によれば、最近の現代美術の傾向として、手法の奇抜さより、従来の技法を地道に極めながら、テーマによる斬新さを表現する作品が多く、今回の展覧会にも傾向が表れているという。しかし、ヤゲオ財団コレクションの収集に顕著な傾向があるわけではなく、美術館は入場者が見やすいように、ミューズ、ポップ・アート、崇高、威厳など10のテーマでくくり、西洋と東洋の作品を組み合わせて展示している。

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