今年1月には中国・上海にコレクター資本によって広さ9000平方メートルの巨大な「YUZミュージアム」が発足したほか、英国のサーチコレクションは、20年も前から無名アーティストを発掘しては、展覧会というデビューの機会を提供し、作品の販売まで手がける育成事業を続けている。
新たな評価機関として
保坂主任研究員は「昔のパトロンは作品を買い支えるだけだったが、最近のコレクターは展覧会まで開き、新たな評価機関としての存在感を示し始めている」と分析する。
チェン理事長もインタビューの中で、アメリカやヨーロッパの美術館や文化機関が、コレクターの資本調達やマネジメントの能力を評価し、評議員に加え始めていることを指摘した。