ことしからは、少額投資非課税制度(NISA)が始まり、銀行の窓口では盛んに株式投資や投信の口座開設を勧められて、応じた読者も多いだろうが、外国人投資家はNISAが始まる直前から日本株を売って巨額の利益を稼いだ。
国内総生産(GDP)の6割を占める家計消費はどうか。総務省発表の消費水準指数でみると、マイナス実質金利になっても、13年12月と駆け込みのピーク時の今年3月を除けば、12年12月の水準よりも10%前後低い。春闘で給与は上がったが、賃上げ率は1~2%にとどまり、消費増税転嫁分を加えたインフレ率3%以上(うち消費税増税分は2%程度)に及ばず、実質賃金は目減りする。消費増税は長い期間、家計消費の足かせとなるのは避けられない。黒田総裁の個人消費への見方は明らかに楽観過ぎるように思える。
それでも、増税による「消費不況」を吹き飛ばせる可能性がないわけではない。話を元に戻すようだが、やはり決め手は株価である。