【国際政治経済学入門】
日本の各地で小さな試みながらも、「世界で初めて」を目指す若者たちによる地域の特性に合わせた産業を興す挑戦が相次いでいる。北の国で特定非営利活動法人(NPO)を運営する知り合いの若者から便りが届いた。
2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、雪氷の冷熱を利用するプロジェクトの提案を行ったという。雪氷冷熱エネルギーで生産、貯蔵された食材を選手、観客ら食事として提供したり、雪氷による冷房を選手村や競技場施設の空調に使用したりするというもの。北海道ではすでに食材の貯蔵、ホテルや農業用温室の夏場の冷房などに実用化が始まったが、東京五輪の機会を利用して世界に広めようというわけである。
失敗より挑戦の満足
思えば、日本人の特性は、「世界初」あるいは誰も手がけなかった仕事に情熱を燃やすDNAにある気がする。敗戦時の荒廃から奇跡的に復興し、高度成長を遂げた最大の要因はそんな国民性にあるのではないかという仮説を、筆者は立てている。科学的な論証はできないが、状況証拠には事欠かない。