【国際政治経済学入門】
読者の中には、1月から始まった年100万円までの投資が非課税となる少額投資非課税制度(NISA)に加入して、株式投資を始めた方々も多いだろう。日経平均株価は12月末に比べて約1割安いが、短期的な株価の変動にやきもきしても始まらない。問題は中長期的なトレンドである。
日経平均株価は安倍晋三内閣が発足した2012年12月以降、1年間にわたって大きく上昇した。当初は「アベノミクス」への期待先行で始まったが、間もなく日銀による異次元の金融緩和、機動的な財政出動が実現し、円安と米株高に支えられて株価反転にはずみがついたが、14年1月に失速した。
実は、日本の株価を決める主役はニューヨーク・ウォール街である。日本の株式売買シェアの6、7割は「外国人投資家」が占めているが、その「外国人」の総元締めがウォール街の投資ファンドや機関投資家である。彼らにとって日本の国内要因は日本の株価の売り買いの材料ではあるが、問題はどう解釈されるかだ。たとえば、規制緩和にしても、何が対日評価に結びつくかは不確かだ。