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【日本遊行-美の逍遥】其の八(下鴨神社・京都市) 生きるための命の再生 (2/4ページ)

2014.5.9 16:35

若水神事で水をくみ上げる井戸は「御井」と呼ばれ、その役割は女性が担っている=2013年12月12日、京都市左京区・下鴨神社(井浦新さん撮影)

若水神事で水をくみ上げる井戸は「御井」と呼ばれ、その役割は女性が担っている=2013年12月12日、京都市左京区・下鴨神社(井浦新さん撮影)【拡大】

  • 御手洗祭は、平安時代は貴族の行事だったが、江戸時代に庶民の祭りへと変化した。蝋燭を手に消えないように歩いてお参りする=2013年7月21日、京都市左京区・下鴨神社(井浦新さん撮影)
  • 修復途中の本殿の屋根。厚さ2~3ミリの桧皮を何重にも重ねて、美しいアールをつくり出す=2014年3月18日、京都市左京区・下鴨神社(井浦新さん撮影)
  • 井戸水なので5分も入っていれば足がキーンと冷たくなり、凛とした気持ちになる。服を水に浸しながら、はしゃぐ子供たちの笑い声=2013年7月19日、京都市左京区・下鴨神社(井浦新さん撮影)
  • 保存会の方々の力で大切に継承されている蹴鞠(けまり)始め。平安時代にタイムスリップしたかのよう。必死の形相で地べたに滑り込んで食らいつく姿に、大喝采が興る=2014年1月4日、京都市左京区・下鴨神社(井浦新さん撮影)
  • 京都市左京区・下鴨神社
  • 俳優・クリエイター、井浦新(いうら・あらた)さん(本人提供)

 一年に一度、御蔭山(みかげやま)で新しく誕生した神を、下鴨神社に鎮座する神と合体させることで、御魂が再生するという祭りなのだ。

 なるほど、糺(ただす)の森で体験したあの不思議な感覚は、この再生の物語そのものだったことに気づかされた。

 その後、僕は下鴨神社の3つの祭りの写真を撮らせていただいた。

 1つ目は、土用丑の日前後に行われる御手洗祭(みたらしまつり)。境内から湧き出す水に足をつけ、穢(けが)れを祓(はら)い、無病息災を祈る。この笑顔あふれる夏の風物詩について、新木直人(あらきなおと)宮司(77)から興味深い話を聞いた。

 新木宮司は、京都の歴史や民俗に精通した学者のような存在で、僕のすべての疑問に丁寧に答えてくださる。

 ずっと気になっていた、境内の「烏の縄手」と呼ばれる古道が、下鴨神社ができる以前の古層が見え隠れする場所であることも識ることができた。

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