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【日本遊行-美の逍遥】其の七(三井寺・滋賀県) 見えるものと見えないもの (1/5ページ)

2014.4.10 12:40

平安時代後期の「木造_大日如来坐像」。現在は金堂に安置されている=2013年7月22日、滋賀県大津市・三井寺(井浦新さん撮影)

平安時代後期の「木造_大日如来坐像」。現在は金堂に安置されている=2013年7月22日、滋賀県大津市・三井寺(井浦新さん撮影)【拡大】

  • 天台系修験の根本道場として知られる三井寺の「本山採灯大護摩供」の様子。円珍が葛城山、大峰山をはじめ熊野三山を巡礼し、那智の滝に参籠したことにさかのぼる=2013年7月22日、滋賀県大津市・三井寺(井浦新さん撮影)
  • 三井古流煎茶道の献茶式(智証大師御祥忌会)。毎年円珍の命日である10月29日に行われる=2013年10月29日、滋賀県大津市・三井寺(井浦新さん撮影)
  • 書院造の代表として名高い「重要文化財_光浄院客殿障壁画(狩野山楽筆)」。一之間、二之間には、狩野山楽をはじめ狩野派による障壁画が残されている=2013年10月29日、滋賀県大津市・三井寺(井浦新さん撮影)
  • 滋賀県大津市・三井寺(園城寺)
  • 俳優・クリエイター、井浦新(いうら・あらた)さん(本人提供)

 7世紀の飛鳥時代に開かれ、9世紀に唐から帰国した留学僧の円珍(えんちん)によって再興された三井寺。源平の合戦、戦国時代と、幾度となく焼き討ちされたにもかかわらずその度に再建され、「不死鳥の寺」とまで呼ばれた寺である。

 国宝10件(64点)、重要文化財42件(720点)を所蔵し、文化財の数は全国でも屈指。今年は宗祖智証(ちしょう)大師円珍の生誕1200年祭にあたり、1年かけて秘仏のご開帳や収蔵庫の建設など、特別な催物が開かれる。僕も縁あって、春は国宝・光浄院(こうじょういん)の空間演出、秋は三井寺を撮影した写真展の開催を予定している。

 三井寺との出会いは、円空(えんくう)仏があるということで、数年前にふらっと立ち寄ったのがきっかけだった。山肌に三井寺、その下に見守られるかのように琵琶湖が広がり、スケールの大きさに圧倒されたのを覚えている。数々の歴史上の重要人物を受け入れてきた重厚な山門、国宝の金堂へ続く参道も美しい。1000年以上にわたり多くの人を惹きつけてきたのは、何事も寛大に受け入れてきた懐の広さゆえか。

「陰翳礼讃」 自然光の美しさ

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