サイトマップ RSS

【日本遊行-美の逍遥】其の五(富士山・山梨県/静岡県) 刻一刻と変化する霊峰に身震い  (1/4ページ)

2014.2.7 14:45

富士山では足下から雲が湧き、それが刻一刻と変化する姿を見ることができる=2013年9月6日、山梨県/静岡県(井浦新さん撮影)

富士山では足下から雲が湧き、それが刻一刻と変化する姿を見ることができる=2013年9月6日、山梨県/静岡県(井浦新さん撮影)【拡大】

  • 標高が3000メートル以上になると、生える植物はイワツメクサ1種類のみ。地球も惑星の一つだと感じる=2013年9月1日、富士山(井浦新さん撮影)
  • 「暁富士」。空気が張り詰めた、夜明けの富士山。宝永火口がくっきり見える=2012年3月13日(井浦新さん撮影)
  • 地上3776メートルの山頂にて、振り向きざまに撮影した風景=2013年9月6日、山梨県/静岡県(井浦新さん撮影)
  • その名も美しい、高山植物「メイゲツソウ」。疲れた心を潤してくれる=2013年9月7日、富士山(井浦新さん撮影)
  • 俳優・クリエイター、井浦新(いうら・あらた)さん(本人提供)
  • 富士山(標高3776メートル)

 気がついたら、富士山にレンズを向けていた。あの美しい姿は、僕でなくとも誰もが撮りたくなるに違いない。葛飾北斎の富嶽三十六景を引き合いに出すまでもなく、多くの人々が富士山の姿に魅せられ、心の風景としてきた。

 その愛(め)で方もさまざまで、光や雲の具合により「赤富士」「黒富士」「傘富士」などの愛称があるし、地方を旅すれば「津軽富士」「讃岐富士」など、地域の山々に見立てた名前がつけられている。江戸時代には富士信仰の一種である冨士講が隆盛し、関東を中心に広まった。今でも富士山の神を祀(まつ)った富士塚や、「富士見坂」など富士山を冠した地名が残っている。

 しかし昨年まで僕は、富士山に登ったことがなかった。仕事で山梨や静岡に行けば、つねに富士山の方角を確認し、黄昏時に高層ビルから望むシルエットを目に焼き付ける。ただやはり、富士山に登ることはなかった。どうしても気になる、目に飛び込んでくる存在であるにもかかわらず、である。それは富士山の魅力は造形美にあり、その懐に飛び込むのに気が進まなかったからだ。道行きの発見より、富士山は登頂したときの達成感の方が勝りそうだと遠ざけていたのだが、それは杞憂(きゆう)にすぎなかった。

霊峰 「どうだ、登ってこい」と上から目線

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!

ページ先頭へ