【国際情勢分析】
南シナ海の権益をめぐる中国の主張が、米中間の争点に再浮上している。これまで直接的な批判を避けてきた米政府高官が、中国の主張の根拠とされる「九段線」の法的な位置付けを明確にするよう中国側に求めたためだ。中国側は激しく反発、2月14日のジョン・ケリー米国務長官(70)の訪中でも議論の応酬となったもようだ。
「国際法に合致せず」
九段線は、中国で発行される地図に描かれた南シナ海のほぼ全域を囲む破線。1947年12月に当時の中華民国政府が作成した地図に初めて登場し、11本の境界線が引かれた。その後、49年10月に現在の中華人民共和国が成立すると、これを引き継ぎ、11本を9本に修正。線をつなぐと南シナ海を覆うようにU字形をしているためU字線とも呼ばれる。