≪「脱原発」で小泉氏と気脈通じる≫
1998(平成10)年に政界から去り、陶芸の世界に身を置いてきた細川元首相が、都知事選出馬を決断した。直接のきっかけは、小泉元首相と「脱原発」で意気投合したことによるものだ。実は、2人は現役時代にも民間有識者を交えた「行革研究会」を立ち上げるなど気脈が通じる部分があった。
「勝ち負けではない。もうやるしかない」
細川氏は出馬の決意にあたり、周辺にこう伝えた。
細川氏を都知事選に推す声は昨年(2012年)12月、猪瀬前知事の辞職直後から民主党を中心に広がっていた。細川氏は、その時点では踏ん切りがつかずにいた。「他の目玉候補」が出てくる可能性に躊躇(ちゅうちょ)したのだ。
ただ、布石は打っていた。12月の小泉氏との会談では、猪瀬氏が辞職するかどうか不透明な中、「脱原発」で意見が一致。さらに小泉氏はこう促した。
「知事選に出たらどうだ」
細川氏も「小泉さんこそ出たらどうか」と向けるなど、互いに都知事選を意識するようになり、距離が急速に縮まっていた。