1、2年生担任の日本人教師マミヤ・サハラ・ウォーランド(65)がホワイトボードに貼られた氷の絵を指さしながら質問した。「これは何ですか。気体ですか、固体ですか、液体ですか」。1番に手を上げたジャスミンが「氷です。固体です」と回答。癖のない発音は日本の小学生と変わらない。ウォーランドが「氷は何でできてますか」と尋ねると、クレアが「水」とすかさず返す。
今度は温度計で屋外と教室内の気温を測定する。米国では気温はカ氏だが、ここではカ氏とセ氏両方だ。児童たちは温度計を見て教室内の気温はセ氏21度、カ氏70度とボードに書き込んだ。
2年生の授業が終わると、今度は1年生がやって来た。「あいうえお」をダンスやカードで覚えていく。ウォーランドがダンスのお手本を示すが、9月に入学したばかりの6、7歳児は落ち着きがない。ダンスそっちのけで隣にちょっかいを出す子供もいる。
「上手ではありません」「何をしているんですか」。大きな声で叱るウォーランドと助手だが、英語は決して使わない。「子供たちを日本語に浸すんです。授業参観も日本語。保護者には小声の英語で何を勉強しているか説明します」