【世界川物語】
米国の首都ワシントンを流れるポトマック川近くの「タイダルベイスン」と呼ばれる池の一帯は全米きっての桜の名所だ。1912年、当時の東京市長が桜の苗木を寄贈したのがきっかけで、春に咲く満開の桜は日米友好のシンボルともなっている。
ここから約24キロ上流、バージニア州グレートフォールズにある学校に、新たな日米友好の芽がしっかりと育っている。
穏やかな流れのポトマック川もグレートフォールズまでさかのぼると、川の様相は一変。岩に覆われた大小の滝、白波の立った激しい急流に魅せられ、米国中からカヌーの上級者たちが集まる。川沿いから車で10分ほどのところにフェアファクス郡立グレートフォールズ小学校がある。
日本語に浸す
教室をのぞくと、病欠を除く2年生22人が理科の授業の最中だった。ここでは英語を話すのは“ご法度”。日本語で算数、理科、保健の3教科を学ぶ集中プログラム「JIP」の児童たちはすべて日本語で先生とやりとりをする。