「フォーブス」誌が資産額を推定計算する上で、保有株式、保有土地の評価額は極めて大きなウェイトを占める。日本が27位に甘んじているのは、上記のような「ビッグスケールの世界企業を創業・発展させた存命者が極めて少ない」という理由に加えて、長期にわたる「株式市場の低迷」および「地価の下落」の影響も大きい。
たとえば、株価。電子商取引企業「阿里巴巴(アリババ)」を1999年に創業した馬雲(ジャック・マー)は、2014年9月にニューヨーク証券取引所に上場し、初値が公開価格68ドルを大きく上回る92.7ドルをつけ、話題になったが、馬は、創業時に必要だった6万ドルの融資を銀行に断られ、友人たちに泣きついてやっと工面したという経緯がある。
馬の資産は、上場前の84億ドルから250億ドルへと3倍増、2015年ビリオネアランキングで33位に入った。同社の主要株主だったソフトバンクの孫正義も、資産も増やした。日本企業には、そういうド派手なことをやった企業の創業者やオーナーが皆無に近い。