「調査委員たちの質問はだんだんと高圧的なものへと変化していった」「私が返答に窮すると薄ら笑いを浮かべる調査委員もいた」「著名な先生たちに追求され、嘲笑される恐怖に、思考力が低下し調査に耐えうる精神状態でなくなってしまっていた」…。
今回のように、騒動の当事者が手記を発表する心理について、片田氏は「一般的に、自己顕示欲と承認欲求に突き動かされていることが多いが、今回は『私は悪くない』と正当化したいという欲望も強いように思われる。いずれも強い自己愛に由来する」と指摘するのだ。
強い被害者意識と正当化への欲望という見方を裏付けるように、手記にはこんな記述もあった。
「私個人に対するバッシングは過激さを増していった。この時すでに私は、私に対してなら、何をしても、何を言っても許される悪の象徴にされてしまっていると感じていた」