中国人が次も「爆買い」を楽しむとは限らない 世界遺産・熊野古道の戦略 (3/5ページ)

2015.12.29 17:14

熊野古道を訪れる外国人観光客(田辺市熊野ツーリズムビューロー提供)

熊野古道を訪れる外国人観光客(田辺市熊野ツーリズムビューロー提供)【拡大】

  • 外国人観光客が増えている熊野古道。平成26年5月には、同じ巡礼路の世界遺産があるスペイン・ガリシア州の首相(左から2人目)らが視察に訪れた=和歌山県田辺市
  • 英語併記の看板設置について検討するTBの関係者ら=田辺市
  • 熊野古道を訪れる外国人観光客(田辺市熊野ツーリズムビューロー提供)

 取り組みは成果をあげ、ツアーの取扱件数は年々上昇。同市本宮町の温泉郷の今年の外国人宿泊者数は10月末現在で約9300人と、過去最高だった前年に比べ64%増となり、年間で初めて1万人を突破する見込みだ。

 熊野古道では近年、欧米などに比べると少ないものの、中国や東南アジアの個人客も増えており、爆買いの「次」として、そうした観光客を呼び込みたい考えだ。

 王道ルート外に呼び込む

 こうしたTBの手法を、歴史や自然の観光資源を持つ同じような地域が参考にするケースが増えており、自治体関係者らの視察も相次いでいる。

 城崎温泉や出石の城下町を観光資源とする兵庫県豊岡市も、TBを参考にした自治体の一つだ。同市大交流課によると、城崎と熊野は欧州や豪州からの観光客が多く、中でも訪日リピーターが多いという共通点がある。担当者は「城崎温泉の近くにはビーチもあり、欧米人らの心をとらえる魅力がある。東京-大阪間の王道ルート外にあるので、ターゲットを絞ったPRを心掛けたい」と話す。

一方、こうした地域では観光産業に携わる関係者の高齢化などが課題

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