民間にも広がる勤務中の喫煙禁止
民間企業にも勤務中の喫煙を禁止する動きが広がっている。昨年4月に「就業時間内“禁煙”宣言」を出したユニ・チャーム(東京都港区)では、外出先・移動中など勤務場所にかかわらず喫煙できない。リコー(東京都中央区)も今年1月から、国内のリコーグループの従業員に対し、出張中なども含めた標準勤務時間の喫煙を禁止とした。
ただ、両社とも目的として掲げているのは健康増進のみで、仕事への専念は掲げていない。ユニ・チャームでは残業中の喫煙は許されており、本社が入るビルの1階にある喫煙所には夕方以降、社員の姿がみられるという。リコーは「敷地内は終日禁煙ですが、出張や外出時は、標準勤務時間外の喫煙は可能です」。
一方で、禁煙を実施している自治体は残業時間も含めて職務専念義務を厳密に捉える傾向にあり、大阪府人事課は「残業中にたばこを吸うために席を外したら、休憩時間として残業時間から差し引く」と厳しい対応。23年から勤務時間中禁煙の堺市も「残業中も勤務中なので喫煙できません」(人事課)。残業代にも税金が使われる自治体だからこそ、より厳格な「職務専念」が求められるといえそうだ。