その後、村上氏が証券取引法違反容疑で逮捕され、機関投資家からの資金運用委託の解約が相次ぐ事態に備えて手元資金を確保する必要に迫られ、結局は買い付け価格1株当たり930円とする阪急のTOBに応じた。
ここにドラマで小林氏の台詞にあった「阪急が阪神を買収する形」の経営統合が実現し、阪急阪神ホールディングス(HD)が誕生したのは18年10月だ。ある阪神幹部はかつて「阪神電車やタイガースもそのまま残り、結果的にこれでよかった」と語っていた。
一方、ホワイトナイトとして交渉に乗り出していた関係者は「阪神が少しでも(村上ファンド側)と戦う意欲があって時間を稼いでいれば(村上氏の逮捕で)もっと最適な組み合わせの私鉄統合が実現したのに…」と話していた。
いずれにしても経営統合から9年が経過し、阪急と阪神が阪急阪神HDの下の事業会社として併存している姿を泉下の小林氏はどう思っているのだろうか。