現憲法の骨格となったマッカーサーが示した原則では、当初、「自己の安全を保持するための戦争」も放棄することが明記されることになっていた。だがこれでは、どの国家にもある「自己保存の権利」も奪うことになるため採用されなかった。自衛軍は持てるということだ。護憲派は、自衛隊は憲法違反だと言い、日米安保にも反対だと言う。要するに“丸腰日本”というのが彼らの主張である。その無責任さは、実は護憲派も分かっている。だから即時自衛隊解体、安保廃棄とは叫べないのである。こんな無責任を放置しないためにも第9条をすっきり改正することが重要なのである。どうやって国を守るのか、その回答を持たない護憲派の最大の泣きどころこそ第9条なのである。(海竜社・1500円+税)
評・筆坂秀世(元共産党政策委員長)