伝える努力を
一方で、これまでの事故が消費者に広く伝わっていなかったことが事故が相次いだ要因の一つと考えられる。同社は3回目と4回目の事故後、厚労省で記者会見し、自社のホームページなどで適正使用を呼び掛けた。ただ、30年前に販売された商品ということから利用者は高齢者が多いとみられ、ホームページで注意喚起しても見ていない可能性が高い。
池見さんは「情報を伝えるにはターゲットに合う媒体を選ぶ必要がある。高齢者の場合はテレビCMや新聞広告、チラシなどが効果的だろう。消費者も日頃から事故やリコール情報に注意を払い、電気機器などは使用法に沿って正しく使うよう心掛けてほしい」と話している。
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足裏マッサージ器「アルビシェイプアップローラー」「シェイプアップローラーII」に関する問い合わせは同社フリーダイヤル0120・012・251(平日午前9時~午後5時)。
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過去には回収命令が出た例も
死亡事故が起きたことで回収命令が出されたマッサージ器もある。川衛製作所(和歌山県有田市)が製造したジャケット型の空気圧式マッサージ器で、胸や腹部の圧迫による窒息死が続いたことで、平成13年に薬事法に基づき、回収命令が出された。
「マッサージ器はさまざまな種類がある。事故が起きたものと似た形状のものは同様の事故が起きる可能性があるので注意が必要」(消費者考動研究所代表の池見さん)