俳優の金田賢一さん(52)は、球界を代表する左腕で「カネヤン」の愛称で知られる金田正一さん(80)の長男。投手として金字塔を打ち立てた正一さんは、教育は母親に任せながらも要所を締める父親だった。
現役時代の正一さんは自らの身体ケアとして、独自のメンテナンス術を貫いた。「肩を冷やすことを極端に嫌っていた。夏でも半袖姿に左には肘当てをする。徹底してました」。所有する高級外車にはエアコンではなく、当時のタクシーが客用に装備した扇風機を付け、自宅のクーラーは1台だけ。
炊きたてのご飯は、正一さんが不在の日も正一さんの茶碗(ちゃわん)に最初に盛る。食事も栄養管理を自ら行う正一さん中心。ある日、賢一さんや妹に外食で食べたいメニューを聞き始めた。「僕は肉を、妹はおすしと答えたら、『そうか、パパは天ぷらが食べたい』と天ぷらに決まる。やんちゃぼうずみたいな振る舞いと思う。でも、嫌と言えば、『何も食べなくていい』と言われる。『好き嫌いは自分で稼ぐようになってからにしろ』と」