数少ない記憶は一緒に絵を描いて遊んだこと。「父はテレビアニメの絵を描くのが上手で。一緒に絵を描いて遊びました。上手に描けると褒めてくれましたね」
だが、大浦さん自身が俳優の道に進んだのは由紀夫さんの影響もあった。由紀夫さんは一時期、俳優をしていたことがあった。由紀夫さんはチャンバラのやり方や、こう刀を振ったらよく切れて見える、と話をしてくれた。「楽しかったですね。この世界に引っ張られた要因の一つかもしれません」
大浦さんは大学卒業後に上京し、俳優として順調にキャリアを重ねていった。デビュー当初、芸能一家で育ったことを公表していなかったのも由紀夫さんへの反発もあったかもしれない。のんびり屋で浮世離れしたところのある由紀夫さんとは距離を保ったままつきあいが続いた。
由紀夫さんとの関係が変わってきたのは、大浦さんが離婚し、平成23年に主之和くんを引き取り、シングルファーザーとしての生活を始めてからだ。当初は「何もできひんから」と言っていた由紀夫さん。