公園で中高年が楽しめる遊具が増えている。ストレッチやツイスト、ジャンプ、屈伸などの運動ができる大人用「健康遊具」だ。少子高齢化で子供の公園利用が減少する一方で、公園に集う中高年が増加。健康づくりや老化防止に役立ててもらおうと、自治体が力を入れている。(横山由紀子)
医者いらず!?
今月2日、晴れた日曜日の昼下がり、兵庫県伊丹市の瑞ケ池(ずがいけ)公園の一角にある健康遊具広場には中高年が集まっていた。バーにつかまっての懸垂、ステップに乗って飛び跳ねる。背伸ばしベンチでは気持ちよさそうに反り返っていた。
ペダルをこいで下半身のサイクル運動をしていた大阪市淀川区の城戸正明さん(71)は先月、胃がんの手術をしたばかり。現在は公園近くに住む長女の嫁ぎ先で療養中だ。「散歩がてら公園に寄って実際に使ってみたら、良い気分転換になり、雨降り以外は毎日来るようになりました。これまで公園の遊具は子供のものだと遠慮していましたが、ここなら堂々と楽しみながら術後のリハビリができます」と話す。