梅沢さんは43歳から事業を始め、同市内で6店の弁当店を経営していた。3人の子供の子育てを終え、60歳を機に、「ここまでお世話になった地域に恩返しをしたい」と、ボランティア団体「オレンジの会」を結成。自宅のある清川町の子育て仲間などに声を掛け、八王子市内全域で、食事に困る高齢者らのために手作り弁当を届けていた。しかし、元の活動場所が使えなくなり、移転先を探していた。
一方、本間さんは元高校教諭。約50年前に開発分譲された新興住宅地である清川町には約600世帯約1300人が住むが、住民の3人に1人が65歳以上。中心部に約10店舗あった商店街は次々と閉店し、高齢者支援と地域の活性化、若い世代への子育て支援なども課題になっていた。