濃度の薄いB液を臨床試験に使うことにしたのは、本格的な試験を始める前に行った事前研究で、濃度の異なる4種類で5年生存率を比較したところ、B液が最も良い結果だったためだ。埼玉医大国際医療センターの藤原恵一教授(婦人科腫瘍科)が昨年、これまでに臨床試験に参加した約250人の結果をASCO(米国臨床腫瘍学会)で報告した。しかし、症例数が少なく、統計学的にはB液とプラセボで有意差がないという結果だった。
日本だけでは臨床試験に参加する患者がなかなか集まらないこともあり、丸山ワクチンを生産する製薬会社「ゼリア新薬工業」は2014年度中にも中国や韓国などアジア各国で臨床試験を始める予定だ。
NPO法人「丸山ワクチンとがんを考える会」の丸山茂雄副理事長は「丸山ワクチンはがん治療の選択肢の一つ。他の治療との併用も認められている。『患者・家族の会』((電)03・3823・4620、月火木の午前9時~午後1時)もあるので、詳しく知りたい人は相談してみてほしい」と話している。(平沢裕子)