「こんな夜は店を早く閉めればいいのに…」。しかし、自分から言い出せるような雰囲気ではなかった。「あの夜は、かなり気まずかった」と振り返る。
転職サイトを運営する「リブセンス」が転職経験者を対象に行った調査によると、「ブラック企業」と判断する指標で最も多かった回答は残業時間。以下待遇、社風、人間関係の順。また、転職理由で最も多いのも「残業が多い・休日が少ない」だった。言い換えれば、拘束時間の長い職場は嫌われ、離職のきっかけになる。
「辞めたい」。10月、一大決心をして電話で切り出すと、予期せぬ反応があった。「もっと自宅に近い店で働いてみるか?」。完全に拍子抜けした。店長になって半年間、身を粉にして働いてきたことを察する様子はなかった。
連絡取れない店長も
師走に入って、店を再建すべく、30代前半の新店長がやって来た。就任早々、閑散とした人通りをながめながら、「やるだけやってみるけど、立て直すのは厳しいな」とこぼしたという。