雪の降りしきる新千歳空港で発生した日航機のエンジン発煙事故。脱出シューターで緊急脱出した乗客らは、寒さと恐怖で身を震わせながら、緊迫の瞬間を振り返った。
「ものすごい煙が流れ、怖くて死ぬかと思った」と話すのは北海道に旅行に来ていた大分県竹田市の主婦、石井みずきさん(29)。
息子(5)、娘(4)とともに機体中央部付近に座っていると、突然たばこのような煙が機内に流れ込み、ガソリンのような猛烈な臭いが漂い始めた。石井さんは「乗務員の指示で体を低くして、ヘッドレストのカバーで口を覆ったが、臭いで気分が悪くなった」という。
北九州市から家族や友人とスキーにきていた会社員の男性(55)は「刺激臭で目がチカチカした。女性の悲鳴が上がりパニックだった」と説明する。後方の座席から「エンジンから煙が出た」という声が上がると、「怖い」という女性の声が響いたという。