「高所平気症」が急増? 後が絶えないマンションの幼児転落 (1/4ページ)

2015.11.1 07:17

 高層マンションのベランダから子供が転落し、命を落とす事故が後を絶たない。背景の一つは、高い場所に恐怖心を抱かない「高所平気症」の子供の増加だ。ベランダをくつろぎ空間とする生活スタイルの変化も事故につながる一因で、好奇心旺盛な子供の特性を踏まえた対策が必要となる。(中井なつみ)

 恐怖心育たず

 今年7月、東京都渋谷区のマンション12階のベランダから女児(4)が転落死した。母親は買い物へ出かけ、女児が一人で留守番中に起きた悲劇だった。昨年5月にも、葛飾区のマンション10階のベランダから男児(4)が転落死。母親は外出中で、部屋には男児と妹だけが残されていた。

 東京消防庁管内で発生した乳幼児の高所からの転落は平成23~25年に65件発生。うち52人が重症以上の大けがを負っている。子供だけが室内に残されたときに発生するケースが多い。親がいなくなった不安に耐えられなくなった子供は親を捜し始める。外にいないかベランダから身を乗り出してしまっても不思議ではない。

「高層マンションで育つことで、高い場所が怖くないという子供が増えている」

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