施工不良が発覚した横浜市都筑区のマンションは、大型商業施設に隣接していることや、三井不動産グループという「ブランド」が売りの人気物件だった。会社側は、傾斜した西棟を含む全4棟を建て替える方針を示したが、そのためには住民の大多数の同意による決議が必要になる。会社側は住民説明会で、建て替えには「少なくとも3年半かかる」と問題の長期化を示唆。実態が明らかになるにつれ、住民が会社側に求める補償にも違いが目立ち始めている。
「西棟優先で」「レッテル…資産価値落ちる」
「ブランドを信用して買ったのに。とても不安なので早く建て替えてほしい」
傾いた西棟に住む女性は、マンションの建て替えを強く望む。平成23年の東日本大震災後、部屋ではベランダの壁に亀裂が見つかり、少しずつ増えているという。地震への不安を訴える女性は、「全棟ではなく西棟を優先してほしい。首都直下地震が不安で仕方ない」と話す。
別の棟でも建て替えを望む声は多い。50代男性会社員は「耐震性に問題なくても、一度レッテルが貼られた物件は資産価値が落ちてしまう」と不安がる。