レポートの狙いは
この最後にある想定を超えた「その他の全く未知の可能性」とは一体何か-。
報告書では、具体例として「人類を不妊にする超汚染物質の開発」や「人工ブラックホールが開発され、地球を飲み込む」「動物実験により、人類を超える知能をもつ生物が出現」「誰かが地球外生命(ET)にコンタクトし、危険な異星人(エイリアン)の注意を呼び寄せる」などを挙げている。
ここまでくると、もはやSFの世界にすぎないと片付けたくなるが、レポートを詳しく分析したニッセイ基礎研究所研究員、安井義浩氏は「われわれが、ときどき酒場で酔っ払ってする話とは大きく違う」とした上で、「過去には『ばかげている』と考えられていたことが、現実の脅威になっているケースもある。どんな可能性も否定できない」と注意を促す。
そのうえで安井氏は「このレポートの本質的な狙いは、リスクに対処する行動と対話を促すことにある」と指摘する。