この夏、関西の美術館で目立っているのが「アニメ」の企画展だ。「エヴァンゲリオン」に「ガンダム」、神様「手塚治虫」展に「宇宙兄弟」と続々。確かに夏休みにぶつけるには格好の人気コンテンツであるアニメ。しかし、「商業主義に走りすぎでは」、「アニメばかりでいいの?」といった美術館に対する批判の声もあがる。とにかくこの夏、アニメが熱い。(正木利和)
“おたく”ばかりではない 幅広い客層
平日の開店直後というのに、大阪市北区の阪急百貨店うめだギャラリーで開催中の「エヴァンゲリオン展」(14日まで)には、途切れることなく入場者が吸い込まれていく。
4つの章に分かれた展示は、生原画や設定資料約300点を初公開し、綾波レイら人気キャラクターの活躍を振り返っている。さらに、絵コンテ、原画、動画など約1000点もの資料で、最先端の映像が生み出される過程をひもといてゆく。
来場者は、ファン層を物語るように幅広い。おたくな男性ばかりでなく、若い女性たちや子供連れ、外国人観光客もいる。
展示を見終わって表に出ると、レストランやカフェの玄関にもキャラクターが飾り付けられ、祝祭広場にも綾波レイや式波・アスカ・ラングレーのフィギュアなどが設置されていて、あたりはエヴァンゲリオン一色だ。もちろん、東京・原宿に店舗を持つキャラクターショップも出店、図録や綾波レイのフィギュアなど、オリジナル商品も販売している。